施設の介護

高齢者が食事中に咽せてしまった時の対応

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最近は休日にどこか1箇所を、とことんまでお掃除するようにしているめぐろです。今日は冷蔵庫をピカピカにしました。さて、本日も宜しくお願いします。

高齢者が食事中に咽せてしまったら

食事中、激しく咽せ込んだことは、子供から大人まで一度は経験していると思いますが、例えば施設でお食事をされている利用者が食事に咽せて激しく咳き込み苦しんでいる場合、どのような対応をしますか?

お客様に前傾を促し、背部を優しくさすりながら、しっかりと咳をするように声掛けします。

周りのお客様に遠慮して咳を止めようとするご利用者様に、更に声を掛けるなら「遠慮なく、咳が止まるまでしっかりと咳き込んでください」です。

咽せ込んで、激しく咳き込んでいる方の、背中を強く叩いてはいけません。食道ではなく、誤って気道に入った水分や食物を排出するための咳き込みです。叩き方によっては更に気道に落ちてしまうこともあります。

※咽せている方の状況と状態によって速やかな判断、対応が必要です

苦しそうに咳き込んでいるお客様に、落ち着いてもらおうとお茶や水分を勧める行為もNGです。むせ込んでいる時は呼吸も乱れています。更に誤嚥を悪化させることもありますので、水分はむせ込みが落ち着いたあとにしましょう。

何故、咽せると咳が出るのか

咳は防御反応

通常ならお食事を噛み砕き、飲み込みやすい大きさに纏めて、口腔内奥の方へと舌を使って送りこみ、そして、飲み込みます。

飲み込んだお食事は、食道を通り胃へと送られますが、食道ではなく、誤って喉頭に侵入したり、気道に入りそうになることで激しく咽せこむのです。(咳反射)

この状態を誤嚥(ごえん)と言い、入ってくるべき場所ではない気管に食事が入ろうとするわけですから、気道防御作用が働いて、誤って入ってきた食物を排出しようと強くむせ込むのです。

誤嚥した場合はしっかりと咳き込んで、間違って入ってきた水分やお食事を排出(取り除く)ことが最も肝心です。

咳が治まったら、ゆっくりと息を吸い「はぁー」と強く早く深く息を吐き出す

みずいろマーカーのゆっくりと息を吸い「はぁー」と強く早く深く息を吐き出すを3回行うと良いとされています。

施設のお食事時は、施設内に看護師、先輩介護士がいます。

咽て激しい咳込みをしているご利用者様を発見して、慌ててしまうこともあると思いますが、まずは落ち着いて他の職員を呼んで状況を報告しましょう。

先輩職員の対応をよく観察するのも大きな学びになります。看護師の指示に従い吸引器やバイタルサインの測定ができるよう準備をしましょう。

普段は食道への道は塞がっています。人間は呼吸をしていますから、鼻や口から入った空気は、気道を通って肺へ送られますよね。

その閉じている蓋は、お食事を飲み込む時のみ、時間で言うと1秒弱の短時間、開き食道への道が開きます。

その蓋の開閉のタイミングがうまく機能しないと、食事が空気と同じように気管へ流れてしまいます。

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食事時の正しい姿勢

基本的には椅子です

上の図の通り、車椅子の方は可能であれば椅子に座り直し、床に足底(足の裏)をしっかり付けましょう

車椅子のまま食事となる場合は、フットサポート(足板)を上げ床に足を付けましょう。(困難な場合はフットサポート上に足底を付けて下さい。)

ベッド上での姿勢

可能ならイラストより、お尻をもう少し後ろに引いて差し上げると、もっと食べやすいと思います。体を起こした際の背抜きも忘れずにしてくださいね。

おまけ・お食事時に発生しやすい事故について

お食事時に起こりやすい事故
配膳ミス 常食のA様の食事ミキサー食のB様に間違えて配膳してしまう等、特に食事形態が違う場合、誤嚥に繋がり命に関わる事故に進展する可能性があります。
誤嚥 お食事を飲み込んだ際、食道ではなく気道に入ることで嚥下性肺炎のリスク、気管に詰まってしまうと窒息し命に関わる危険があります。
誤薬 食前薬、食直前薬、食後薬等内服時間を間違える。A様の内服薬をB様に内服させてしまう。食後、床にお薬を発見する(落薬)
異食 認知症の方への見守りを怠って(少し目を離した等)おしぼりが入ったナイロンの袋、義歯等を飲み込んでしまう。(食事以外の物を食べてしまう)

お食事の時間は、お食事の介助、服薬介助、口腔ケアと行うことが多く、ひとつの事故が命に関わる重大事故に繋がります。

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とは言え、急いだからといって、そこまで早く終わりません。慌てることでミスが増え、更に業務が増えてしまうことも。

また、欠勤した職員がいる等の人員の配置で、やむなく普段より対応する職員が少ない場合、概ね決められた時間までに食事が終わらないこともあります。ひとりの職員ができることにも限度があります。

そのような時は、事故なく、お食事を召し上がっていただければそれで良いと考えを切り替えましょう。のんびりやりましょうではなく、正確に、落ち着いて、ひとつひとつ業務をこなしていきましょう。

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