今日はたくさんある介護の資格のうち、まず最初に目指していただきたい資格である、「介護職員初任者研修」についてを記事にします。宜しくお願いします。
介護のお仕事を行う中で必要な基本的な知識、技術を学べるから、今のりょうこさんにピッタリの最初に目指してほしい資格です。頑張って下さいね。
介護職員初任者研修の受講資格
介護のお仕事を目指す方が取得する最初の資格とも呼ばれるのが、介護の基本的なスキルが習得出来る、介護職員初任者研修です。
この研修は、学歴や年齢他、介護が未経験でも無資格でもどなたでも受講出来る受けやすい研修です。
介護職員初任者研修の受講スタイルは選択出来ます
大きく分けると、通学制と通信制で10科目を130時間掛けて習得します。通信制を選択した場合、40時間程度を自宅学習できますが、残りの90時間はスクーリングで学ぶことになります。
全課程を通信制で学ぶことは出来ませんので注意が必要です。
そのため、受講先は自宅から近いところを選択することをお勧めします。
研修科目及び研修時間数
介護職員初任者研修科目及び研修時間数 | ||
---|---|---|
1 | 職務の理解 | 6時間 |
2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3 | 介護の基本 | 6時間 |
4 | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6 | 老化の理解 | 6時間 |
7 | 認知症の理解 | 6時間 |
8 | 障害の理解 | 3時間 |
9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10 | 振り返り | 4時間 |
トータル 130時間 |
介護職員初任者研修は1ヶ月~4ヶ月程度で取得できます
受講時間はトータル130時間の研修で、受講スタイルにより資格取得までの期間は様々です。
受講先を探せば最短で2週間程度で取得できます。通学制には週末土日のみ、平日のみ、夜間のみ、週1日からの受講も可能で、受講者の生活パターンに合わせて無理なく学べるスタイルになっています。
試験というのは最後に受けるんですか?
介護職員初任者研修は受講後、修了評価を受けます
試験時間は1時間程度の筆記試験で、概ね7割以上の正解で合格とされています。主として選択式となっていますが、いくつかは記述式もあります。
修了試験の主旨は、130時間の受講を振り返り、より理解を深めるための試験です。
不合格にすることを目的としている試験ではありませんので、まじめにきちんと受講していれば合格できる内容となっています。適当に受けてと言っているわけではありませんが、130時間を費やして頑張った研修です。落ち着いて受けましょう。
介護職員初任者研修の修了試験が不合格になった場合、救済措置はありますか?
ほとんどの受講先で追加の試験があります。受講前に確認して下さいね。
介護職員初任者研修の受講料はいくらかかりますか?
受講場所によって5万円~10万円以上と様々です。
受講先によっては、受講終了後、受講先が紹介する職場に勤務することを条件に、受講料が割引になったり、無料になったりすることもあります。
もし介護職員初任者研修修了後、就業の予定があるのでしたら、受講先を探す際にチェックすると良いですね。
また、このブログに登場するりょうこさん(新人職員)のように、無資格、未経験で既に施設職員として働いている方で、介護職員初任者研修を受ける場合、勤務先に確認して下さい。研修の日が出勤扱いになったり、受講料の支援があったりする職場が多いです。
介護のお仕事には身体介護、生活援助がありますが、介護職員初任者研修を取得すると、基本的な介護業務が行える知識、技術を習得でき、訪問介護、施設介護他介護のお仕事が出来ます。
介護のお仕事を行う上、本人はもとより、ご利用者様も安心して介護を受けられます。
生活援助従事者研修と入門的研修
2025年問題を目前にして、介護の働き方を見直し人材を確保するため、様々な働き方が提言されています。

2013年(平成25年)のホームヘルパー2級過程が廃止となり、介護職員初任者研修に変わった後も、介護保険法施行規則を改正し、2018年(平成30年)には業務を「掃除、洗濯、調理等」の生活援助中心とした生活援助従事者研修が新しく創設されています。
また、介護に興味、関心がある方で、全くの介護未経験者に向けて、介護業務に関する不安を緩和し、基本的な介護知識や技術を学び、介護分野への参入を促進するために行う研修として入門的研修が創設されています。
生活援助従事者研修について
生活援助従事者研修を習得(59時間)することでホームヘルパー(訪問介護員)のお仕事の中の生活援助業務を行うことができます。
介護のお仕事には興味があっても、身体介護とされる排泄介助、入浴介助など、直接ご利用者様の身体に触れるお仕事には、身体的、精神的な面から抵抗があったり、自信がなくて参入できないでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
生活援助従事者研修の習得内容
研修科目及び研修時間数 |
生活援助 | 初任者 | |
---|---|---|---|
1 | 職務の理解 | 2時間 | 6時間 |
2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 6時間 | 9時間 |
3 | 介護の基本 | 4時間 | 6時間 |
4 | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 3時間 | 9時間 |
5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 6時間 |
6 | 老化の理解 | 9時間 | 6時間 |
7 | 認知症の理解 | 6時間 | |
8 | 障害の理解 | 3時間 | 3時間 |
9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 24時間 | 75時間 |
10 | 振り返り | 2時間 | 4時間 |
トータル | 59時間 | 130時間 | |
修了評価(筆記試験) | 30分 | 1時間 |
生活援助従事者研修終了後の試験はどのようなものなのか
介護職員初任者研修の試験は1時間程度とされていましたが、この生活援助従事者研修修了試験は30分を目安とした筆記試験です。
厚労省では、試験の難易度について、介護職の入り口に位置する研修であることから講義内容を振り返り、理解を深めるためのものと想定されており優しい内容の試験です。
2025年問題に向け、介護人材確保の取り組みとして介護の質と量の両面から国と地域が二人三脚で、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」を進めるための対策に総合的・計画的に取り組むこととしています。
引用:厚生労働省

介護現場で働く場合、目指す資格は、国家資格である介護福祉士になります。介護福祉士取得までには段階があり、直ぐに取得できるわけではありません。
先ずは、介護職員初任者研修修了することをお勧めします。どういうことかと申しますと上の画像の通り、介護職員初任者研修を取得後、次に目指す資格は、実務者研修ということになります。

平成29年から介護福祉士の受験資格に、実務者研修課程を修了していることが条件になりました。また、平成15年に介護福祉士の更に上位資格となる認定介護福祉士が創設されています。
介護現場で働く上で、先ずは国家資格である介護福祉士を目指しましょう。

生活援助従事者研修と入門的研修について
入門的研修
実施主体は都道府県、市区町村です。介護の経験がない方で、介護に興味・関心をお持ちの方へ向けて、介護の入門的な研修で、可能な限り、基本的な解りやすい内容の研修であることを目的としています。
どういうことかと申しますと、介護新規参入を促進する為の取り組みのひとつで、介護分野で働く際の障壁となっている不安を払拭して多くの介護人材を作ることを目的とした研修です。
入門的研修は対象を定年退職予定者や中高年齢者、主婦や子育てが一段落した方、地域の住民、学生等と幅広く少しでも介護に関心をお持ちの方が受講しやすい内容となっています。
入門的研修の受講資格、受講時間他
入門的研修の受講に、年齢、必要な資格など、特別必要な受講資格はないので、どなたでも介護に関心のある方であれば受講出来ます。
受講時間はトータル21時間で、修了評価試験等はありません。無事21時間の受講修了後に、修了証明書が発行されます。
入門研修を受ければヘルパーとして働けますか?
訪問介護(ホームペルパー)としてご自宅に訪問してのお仕事はできませんが、通所・居住・施設系サービスの介護職員として働くことは出来ます。
ヘルパー2級っていうのは持ってても無意味なものなんですか?
ヘルパー2級と介護職員初任者研修はどう違うの?
「ホームヘルパー2級」「ヘルパー2級」って耳にしたことがあると思いますが、2013年(平成25年)4月1日に介護保険法規制改正で、介護の資格制度が改定され「介護職員初任者研修」に移行されました。
それまであった「ホームヘルパー3級、2級、1級」「介護職員基礎研修」は廃止され、介護の最初に目指す資格は「介護職員初任者研修」次に「実務者研修」そして国家資格である「介護福祉士」とキャリアパスが明確になりました。
(民間資格である認定介護福祉士について、これから介護の資格を取得していく方にとっては、介護福祉士の上位資格がある!程度の捉え方で問題ありません。受講料が高額であったり、取得までの期間が長い、更新が必要であるなど、めぐろの介護新聞では今の段階でお勧めしたい資格ではない為、記事にすることを控えます。)

一番下の層の介護職員初任者研修がヘルパー2級に相当しています。実務者研修については別の記事で詳しく解説しますが、20科目トータル450時間の受講内容となっています。
将来、介護福祉士を目指している方は、この実務者研修課程を修了していることが受験資格要件にあります。
例えば、ホームヘルパー2級課程を修了されている方が、実務者研修を受講する場合、130時間が450時間の研修から免除されます。
同様に、介護職員初任者研修課程を修了した方も130時間が実務者研修の450時間から免除され、ヘルパー2級資格、介護職員初任者研修も共に320時間の受講で実務者研修を取得出来ます。
そもそも、何故、わざわざヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わったんですか?
ホームヘルパー2級が廃止になった理由
ホームヘルパー2級課程は、介護職員初任者研修の修了要件を満たすとされていますが、研修の内容にはいくつかの違いがあります。
- ヘルパー2級にあった施設現場実習30時間がなくなりました
- 「認知症の理解」6時間が受講内容に盛り込まれました
- 130時間の受講後、評価試験が設けられました
- 「在宅」「施設」に偏りなくどちらにも生かせる内容になりました
ホームヘルパー2級 | 介護職員初任者研修 | |
研修内容 | 訪問介護を主とした内容 | 在宅・施設どちらでも通用 |
研修時間 | 130時間 | 130時間 |
スクーリング | 42時間 | 90時間 |
講義 | 58時間 | 40時間 |
施設実習 | 30時間 | なし |
評価試験 | なし | 1時間程度 |
ホームヘルパー2級が無効になる訳ではありません
ホームヘルパー2級の正式名称は「訪問介護員2級養成研修課程修了」です。
2013年に廃止となり、介護職員初任者研修に移行されましたが、このヘルパー2級の資格が通用しなくなったわけではありません。履歴書等の所有資格を書く欄には「訪問介護員2級養成研修課程修了」と書いて下さい。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修)は介護職員初任者研修と同等の資格となっています。
とは言え実際に、介護職員初任者研修を受講したわけではありませんので、履歴書に「介護職員初任者研修過程修了」と書いてはいけませんのでご注意下さいね。
この記事を書き終えて・纏め
ここまで介護職員初任者研修を主として、生活援助従事者研修、入門的研修、実務者研修、介護福祉士にも触れました。
キャリアを積むということで「介護職員初任者研修」⇒「実務者研修」⇒「介護福祉士」⇒「認定介護福祉士」と流れが解りやすくなったと思います。